料理の話題ばかりで恐縮です。何を食べるかについて割と真剣に考えるのは、調理作業が好きということもありますが、身体を内側から整えるということを継続した場合、それはどのくらい生活(人生)に寄与するものなのか自分(とネコズ)を観察しながら考えたいという研究者目線の理由が結構大きいということに気がつきました。身体に何を入れるとどういったフィードバックが起きるのか、漠然とですがデータをとっているという感覚があります。だから丁寧な暮らし、ステキ〜⭐︎とかはどうでも良いし、ナチュラル志向というのも自分ではあまりそうは感じません(客観的に見るとナチュラル志向に見えやすいということは理解していますが)。実験系の研究生活では化学薬品や先端機器を駆使していて、電気も使うし有害ごみやプラごみも大量に出すので「自分は全然ナチュラルな環境に身を置いて無い」という意識が強いからだと思います。
料理の話に戻りましょう。腸活という言葉は嫌いですが(◯◯活というのがそもそも嫌い)、腸内細菌叢の研究が進んだ結果、その役割は全身に及ぶということが分かってきました。脳腸相関という言葉も生まれて、気分すら腸内細菌叢のバランスと関係しているということが判明し、もはや我々は腸内細菌に駆動されていると言っても過言ではありません。昔(私が微生物学を勉強していた頃)の教科書では悪玉菌は病気を引き起こすけど、善玉菌は悪玉菌が増えるのを抑止している、くらいでした。ただ、牛などの反芻動物の場合、第一胃発酵と言って、最初の胃に棲んでいる微生物が大量の草を分解してその後の消化吸収を容易にすること、その際に第一胃で産生される有機物が牛の健康に寄与していることなどすでに分かっていて、教科書にも載っていました。反芻動物以外は複数の胃を持っていないので、第一胃発酵のようなことは起きていないと考えられていたのですが、現代の腸内細菌叢研究は同じことが腸でも起きている、ということを明らかにしたということなんでしょうね。
私の場合、脳腸相関の存在を強烈に実感したのは、自分で漬けた糠漬けを一ヶ月ほど毎日食べ続けた時です。ある時突然「自分は『自分の意志』とは別の『何か』に駆動されている」と感じました。身体の調子が良いだけではなく、毎日一段階上のやる気に満ち溢れていて「誰かに背中を押されている」という非常に不思議な感覚があり、「これが腸内細菌パワーか、、、、!」と思いました。
当時暮らしていた前橋では夏暑くなりすぎて糠漬けをうまく維持することが難しかったのと、仕事のゴタゴタからの転居で漬物どころではない時期が長く続いたのですが、あの「漲っている」感覚があるのと無いのとでは人生結構変わるよなぁと思います。
というわけで、糠漬けはまだ再開できませんがヨーグルトメーカーもあることですし、良質の腸内細菌叢を育てるためにせっせと発酵食品を摂取しましょう。余談ですが、現在抗生物質など薬不足が深刻なよう。薬は本当に必要な人に渡るよう、今元気な人はこのままこの冬を乗り切りたいものです。そのためにも良い微生物で身体の内外をガードするべし。
白味噌はひよこ豆で作りました。味噌って別に大豆じゃなくても作れます。白味噌は発酵時間が短いので、ヨーグルトメーカーなら一晩でできちゃう。豆を戻すところから計算しても24時間くらいで完成。速っ そして旨っ
数年前に作った普通の味噌がようやく無くなりかけているのですが、市販品は買わずに当面は白味噌で凌ぎ、その間に普通の味噌を仕込みます。春には食べられるかな。。。今回は昔ながらの辛めの味噌にしました。これ浦井の塩分濃度だと室温保存でカビが生えません。白味噌は別として、麹が多めの甘い味噌はあまり好きでは無いんです。キリッとした塩気が美味しいです。辛すぎる時は白味噌と混ぜれば良いのだし。そして味噌作りも一度に2キロとか仕込まなければ場所も取らずに簡単です(2キロx2で仕込んで、消費に4年くらいかかりました 笑)。今回なんてトータル450グラムですし。一人暮らしでの消費スピードを考えると、このくらいの量を2ヶ月くらいずらしながら仕込み続けると常にちょうど良い状態の味噌を食べられるかなぁと思います。
ところで最初になんだかんだ腸内細菌について書きましたが、お前は単に古い豆を消費したいだけなんじゃ無いのか、そう思ったアナタ!正解です 笑。しかし豆は膨らむので、いろいろ作ってもなかなか減らないのですよ、これが。
ついでに古い餅米も消費したいので甘酒。飲用だけでなく調理ペーストとしても使うので、水少なめの濃厚タイプに仕上げています。ペーストタイプを作る場合、加熱が難しいので、ヨーグルトメーカーは本当に便利。出来上がったらハンディーブレンダーで滑らかにしています。
実はこの甘酒にはもう一つ新しい仕掛けをしてあるのですが、まだ試行錯誤中なので秘密です。たくさん作ってしまったので半量は冷凍保存にしました。
おしまい