日々の生活において、色々と刺激を受けたいなんてことも思ったりもするが、やはり好きなものとか安心するものなんて「おっさんになってくると定まってくる」もので、そんなに代わり映えのしないものを食べて、代わり映えのしない生活を送っていると2024年も一年が過ぎていこうとしている。
そんな「同じような行為が繰り返されてばかり」の僕の食卓にも、今夜は少し珍しい献立が登場した。
余所行きめいて見えるかも知らないこの献立はポークソテーである。豚肉を味付けして焼いただけのものなのだけど、今夜はこれをスパークリングワインと共にいただいた。
この秋に、お世話になっている取引先からワインをいただいたのだが、僕の日常のメシというものは、それはもうワインに合わないようなものばかりなので「このワインの栓を抜くのも気後れする」ような有様…。
明日は遂に「そのワインをいただいた客先との年末挨拶」があるので、「これはそのワインを飲んで、その感想をお伝えせねばいかんだろう…」との思いから、今夜の開栓に至った次第…。
いただいたワインは「過冷却でグラスに注いだソーダ水がグラスの中で凍っていく」程の我が家のチルド室で冷やしていたこともあり、キリリと冷えていて、その辛口具合がとても美味しかった。
ワインの味を知らぬ僕には「こんなガキのような感想」が精一杯なのだ。恥ずかしいけど…。
しかし、このワインを一人で飲みながら、そして、日々の生活ではそんなに食べることもない「余所行きめいたメシ」を支度して感じたのは「ああ、ここにガキどもが一緒ならなあ…」ということ。
僕一人で食べるにはいささか大き過ぎる豚肉だったが、これを末娘にすすめたら彼女はとても喜んだことだろう。僕が食べる分などなくなるほどに嬉々として食べたのだろうと思う。
そして、キリッとしたスパークリングワインは長女がそれに口をつけたならば普段は細い目を大きくして大喜びしたことだろう。…そんな美味しいものを一人で楽しんでいることにちょっとした罪悪感と寂しさを感じた。「非日常のちょっと見栄えがしそうなもの」を食べるならば、やはりそれを喜ぶであろう我が子にも食べさせてやりたい…なんてことも思うのである…。
「ワイン自体の味について」は稚拙な感想文しか書けない有様であるが、この美味しさやらそれに接して感じたことを、明日はこれをくださった客先にお礼とともに精一杯伝えたいと思う。