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失敗料理 - datetaira’s blog

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昨日の夕食には、この数日食べていた湯豆腐→常夜鍋の出汁が残っていたものに薄切りの豚肉と春菊を加え、そこに柑橘の搾り汁と醤油をかけて食べた。御馳走ではあるが軽めのメシだった。

今朝は目が覚めた時から腹が減っていたので、茶粥を炊いて食べた。焙じ茶の香ばしい香りと麦の素朴な味が調和していて実に美味であった。

…というのは嘘だ。

 

「朝から麦を雑炊にして食べた」ということは真実なのだが、麦を用いた茶粥を朝から炊くほどの雅びやかな習慣は僕にはない…。今朝の雑炊は「昨夜の鍋の残り汁に麦を加えて炊いていたら、ガリガリに焦がしてしまった失敗料理」なのである。

昨夜のうちに残りものの出汁に麦を浸水させておいて今朝は鍋を置いたコンロに火をつけて、それから放っておいたのがよくなかった。テレビをつけてネット記事を見たり新聞を読んだりしていたら、台所からなんだか焦げ臭い匂いが漂ってくる…。気がついた時には鍋には水分がほとんどなくなっていて、鍋底の麦はガリガリに焦げ付いていた。

僕は「料理がうまくなるにはとにかく自分の作ったものは責任を持って食べることが大切」だと思っている。失敗した料理であっても、うんざりしながらも食べ切ることで「もうこんな失敗はしない。なぜうまくいかなかったのだろう…。次こそは…。」という向上心に繋がるものだと考えているからだ。

…って偉そうなことを言ってみたのだが、今朝の僕の失敗は単に放置し過ぎて焦がしただけのものなので「50のおっさんが勉強の機会」にするにはあまりにもお粗末なミスだった。

呑水に軽めによそって食べてみたところ、一口目は「うむ、なかなか香ばしい…」とも思ったのだが、そのまま食べ進めたいものではなかった。

週の頭、それも朝からの「手前の馬鹿さ加減」に憂鬱にもなったが、そんなことにへこたれている場合でもない。この焦げ臭さをどうにかしてこれらを食べ切る方法はないものか?そんなことを考えているとイイことを思いついた。

一昨日の夜に作ったカレーが少しだけ残っていた。これも半端に残っていたのでどう片付けようか?と気になっていたものでもあった。

一口食べてみた焦げ焦げ雑炊と鍋にはまだまだ残っているものをカレーと一緒にしてから、グラッと煮る。そして湯気の出るそいつを啜る…。

クミンやらマスタードシードやらコリアンダーで香りをつけたカレーは「焦げ焦げ雑炊」の芳香に負けることなく、それら全てを包み込む包容力(というか、高圧的な力をもって制圧するような馬力)をもって「それなりに美味しい食物」に仕上がった。そして、予想出来ていたこととは言え「カレーの馬力」に驚いた。

粒が硬くボソボソとした麦を使ったこともプラスに作用した。米を使っていたらグズグズに煮崩れていたかも知れない。憂鬱な気分は一転、朝から「何かをやり遂げた」ような気持ちになる食事であった。

…って、これは別に「怪我の功名」でもない。なんなら「こんな朝食」にはもう接したくない。なのにまだこいつらは沢山残っている。今夜もこれを食べるか…。いや、明日の朝にまわすか…。「手前が作った失敗料理への落とし前の付け方」というのも仕方のないこととは言え、経験したくないことだ…。


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