昨日は商談で浜松に出掛けていた。沼津と同じ静岡県内だが、東京に行くよりも遠い。
浜松ではギョウザを食べた。彼の地の名物「浜松ギョウザ」を食べるのは初めてのことではない。僕はそれを大して美味いとも思わないのだが「もしかしたら美味いと思うかも…」なんて思って食べてみた。
「遠くの浜松まで来たのだから、何か浜松っぽいものを食べなくてはならんだろう…」というケチ臭い気持ちもあった。これ良くなかったのだろう。浜松ギョウザは僕の期待には全く応えてくれず、そして予想の通りに特に美味いものでもなかった…。
まあ、世の中には浜松ギョウザのファンもいるのだから好みの問題だ。だが僕は好きではないし、美味しいとも思わない。
さて「蓼食う虫も好き好き」な話題はどうでもいいのだが、そんな翌日「浜松市ギョウザ購入額一番」というニュースをやっていた。
何かの観光資源を無理矢理にでも作り出して、観光誘客のために動いていることをアピールするのが仕事である「市のシティプロモーション課の職員」とかギョウザを売りつけて儲けたい「メーカーや流通の人たち」は大喜びだろう。
「ギョウザの町・浜松」というコピーが相当な順風となるのだから…。
テレビではスーパーにギョウザを買いに来たBBAが「継続して記録を出したい」と曰っていた。「んじゃ、記録のためにお前んちは毎日買って来たギョウザ食べればいいじゃん」と思う。
この記録は「市民の年間のギョウザ購入額」ということ。浜松のギョウザを僕は美味いとは思わないが、市販のそれを買ってきて食べる人が多いのだろう。もしかしたら、限られた少数の浜松ギョウザマニアが多額の買物をしているだけなのかも知れないけど…。
話題になって人が騒いでいるものが良質だったり美味しいものだったりするとは限らない。やはりそれは「話題になった」と言うよりも「周囲の思惑によって敢えて話題にしたもの」であることが多い。先日の「恵方巻」みたいに…。
浜松にギョウザ好きを増やす「土壌作りの始祖」というようなギョウザや餃子店もあると思う。そうしたところは引き続き頑張ればいい。しかし、話題性に乗じて儲けてやろうと企むだけの「ホントーにどうでもいいギョウザ」もあると思う。
そういうものには騙されないようにしなくてはならん…って、僕は浜松ギョウザ自体を不味いと思っているからもう食べないのだけどね。
【追記】
餃子ではなく「ギョウザ」と文字を打っていたら、「ギョウザとロック」という店のことを思い出した。
今から20年くらい前にウェブで知った店だ。きっかけはここの店主がトランペットについて記述していたブログからなのだけど、そのブログを見始めたころはこの店はなかった。
周到な計画などなされずに、思いつきと勢いだけで始めたようなこの店は結構すぐに潰れた。音楽経験の浅い若者たちだけで組んだバンドがすぐにうまくいかなくなり、そのうち解散するのを見ているようだった。
料理についてもウェブ上で店主が一生懸命にアピールするのだけど、彼の語彙力が足りず全く美味しそうではなかったので僕はこの店に行きたいと思ったこともない。しかし、その駄目さ加減に変な魅力があって、閉店〜都落ち後も続いていた店主のブログを見ていた記憶がある。