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「梅流し」という料理 - datetaira’s blog

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作った食事を残すのは嫌だからどうにか工夫をしながら、ものを捨てることなく日々の献立を形成している。

僕の食卓なんて「形成」なんて立派な言葉を用いるようなものでもなく、余り物を食べてそれに飽きてくるなら何らか味を変えてそいつらを食べ切る…という「節約と言えば聞こえがいいだけのケチ臭いメシ」を食べていることが多い。

今週の頭からは菜の花を食べていたが、その残り茹で汁に豚コマを足して「常夜鍋のようなもの」にして食べているが、今夜はそこに大根と油揚げを加えて「梅干し」で味付けしたものを食べている。

たまたま目にしたネット記事で「梅流し」という調理方法(料理?)を知った。さらっとテキトーに見ただけのものだが、大根と梅干しを鍋物のように火を入れて啜り込む。するとたちどころに体内の悪いものを排出するかのように「排泄活動がめちゃめちゃに活発になる」というものだった。

大根と梅干しを煮込無出汁葉好みのものでは何でもいい…とのことだったので、我が家の台所状況を鑑みるとうってつけの献立だった。

数日前から食べ続けていてとっくに飽きてしまった「菜花豚コマ出汁」が鍋に残っている。それだけではなく、昨年漬け込んだものの沼津への引っ越しで冬になってから干してみた「どうもうまく出来ていないような梅干し(23年梅干しと呼ぶ)」があった。

この「23年梅干し」は、まだ傷んではいないがそれも時間の問題でそのうちにカビが生えたりするのでないかと懸念するほどの失敗作だった。

梅干し作りも数年目になり、傷むことないようなギリギリの塩分量にしよう…なんていう色気を出したのが悪かったのか、それとも夏の土用の熱い空気に触れさせなかったためなのか?失敗作となる要因には幾つかの心当たりはあるのだが、それが何であったとしても「僕の手元には大して美味くもない梅干し」が残された。

うろ覚えのネット記事によると、梅流しというものは「大根と梅干しを好みの出汁で煮て食べるもの」だったが、鍋に梅干しを入れてしまうと最初から最後まで梅干し味の汁物を食べ続けることになるので、梅干しは鍋に入れずに呑水に調味料として加えた。

普段なら柑橘の搾り汁と醤油をかけ回して食べる鍋物を潰した梅干しを煮汁でのばしたおつゆに浸して食べる…という具合だ。

普段ならそのまま田舎味噌やら酒粕を溶いて豚汁として食べるような「年季の入った残りものの汁物」を今夜は初めての「梅流し」なる食べ方にして食べる。

この食べ方で呑水によそったやつを食べながらこの文章を書いているのだけど、なかなかイケる。梅干しの過剰摂取による塩分過多を心配に思ったりもしたが、普段ならここに味噌とか醤油とか足して食べるのだ。それが梅干しに変わっただけだと思えば、僕の塩分摂取量もそんなに変化はないだろう。

ネット記事で見た「毒素を排泄するような効果があり、一日外に出掛けられなくような下り具合…」というものへの興味もある。大根も梅干しも日々、そんなに食べないこともなく割と頻繁に接しているが、それらを食べて「下りまくった記憶」なんてものは僕にはない。

眉唾ものだと思うそのネット記事で見ただけの効果は別としても、割と美味しい食べ方だったので、この先の僕の食卓にも「梅流し」みたいなものは登場してくるのだろうな…と思っている。


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